音楽の掘り方 第3弾!part2〜実践編〜

前回、AOKI takamasa氏の音楽歴や音楽の聴き方について話を伺い、データとレコードを使い分けるなどこだわりや志を高く持って音楽活動をしていることがわかった。
今回は、そんなAOKI氏に音楽の掘り方についてどストレートに質問してみた。
どんな答えが返ってくるのだろうか。

 

 

〈音楽を売る人、作る人それぞれに聞いてみると面白い〉

——では、本題である音楽の掘り方についてなのですが、基本はどういった感じに掘ってらっしゃるのですか?

AOKI:僕はあまりDJみたいに掘るタイプじゃないから、友達がパーティでかけてた曲を教えてもらうとか…教えてもらう音楽が多いね。自分で見つけることもあるけど、それも誰かがFacebookにアップしてたリンクからDJmix(DJが曲と曲をつなげて流しているもの)を聴いて、良い曲があればShazamで探す。あとは、ジャケット見てプロデューサーとかミックスエンジニアの名前を調べてその人が関わっているものを探して聴いたり、テクニークで買ったりかなあ。でも、だいたいがパーティで友達がかけてるやつを「これ誰の曲?」って聴くのが多いかも知れない。まあ、毎週末どっかでパーティやってるから、一緒に出演した人から教えて貰うのがだいぶ多い。人伝いが多いね。

 

——人から教えてもらった音楽を聴いて、それを深く掘っていくという方法なのですか?

AOKI:そうやねえ。テクノの場合はレーベルでカラーが強く出るから比較的探しやすい。良いレーベルがあったらそのレーベルを調べてみるとか、そういうのが多いかな。テクノ意外の音楽もレーベルで注目したりするけどね。
 あとは、ブラジル音楽とかに関しては詳しい友達がいるから、聞いてみてシェアさせてもらうとか。自分で探すには限界があるから、やっぱり人伝いやね。
 DJの人たちって凄い知識やんか。あの人達に掘り方聞いても、レコードショップで徹底的に見るらしいね。アーティスト名レーベル名全部覚えてはるから記憶力すごいよね。僕は音楽作るのがメインやけど、良いDJの人ほど記憶力が大切って言うね。曲かけるにしても展開を覚えてるとか、「この曲の後半はハイハット無いからパス」って。「なんで分かんの?」って思うけど、覚えてはるんやね。そういう記憶力が凄い重要になってくるんちゃうかなって思う。

 レコードショップに行ってお店の人たちと良い関係を作ったら、どういう物を買うか傾向さえわかればオススメもしてくれたりもする。歩いてレコードショップを回るっていうのも一つの手やろうね。僕はメインの仕事がDJじゃないから、どうしてもそこに時間掛けて掘るというのはあまりしないけど。僕の場合はオンラインで、ネットで試聴して買えるやつは買って、後は足で探してるDJたちの労力を頂いて、「これ良い」と言うのを教えていただいて。昔はDJのレコードを教えてもらうのは結構ハードルの高いことやったらしいけど、僕の場合は友達が凄く優しいから皆いっぱい教えてくれるし、それは凄く助かってる。あとは年上の人って掘ることに対して使ってきた時間の量が全然違うから、純粋にいっぱい知ってるやん。年上の人から教えてもらう音楽は常に、貴重やね。若い頃には分からへんかったけど、年とってから「あの時教えてもらってよかったな」と思うものもあった。年齢とか経験によって理解できる音楽、受け入れられる音楽も変わっていくと思うし、やっぱり30歳を超えてきたら自分の聴く音楽ってやっぱり良くも悪くも限定されてくる。
 「良い音楽作ってるな―」と思ってる先輩がおすすめしてくれる音楽っていうのは興味もあるし感謝もする。人間って、聴いた音楽からしか、音楽を作れないのね。音楽を聴いたことない人に音楽を作れって言っても、「音楽って何?」ってなるやんか。作れる音楽イコール今まで聴いてきた音楽の集大成やから。自分が良いなあと思う音楽作ってる人に、直接「今年なんか良いのありましたか?」「なんかオススメ無いですか?」とか聞くのも一つの手やね。

 

——そういった人脈はやっぱり、DJのクラブで?

AOKI:そうやね、やっぱりパーティーやね。後はレコーディングの仕事かな。今、一緒に仕事してるバンドがあるねんけど、彼らに「最近何聴いてんの」って連絡取ったりして交換して。それでホンマに良いなと思ったやつは後で買う。
 やっぱり、実際にお店に行って、音楽を売ったりするプロがおすすめする音楽とかは、耳傾けたほうが良いと思うし。そういう、音楽を売るプロの人、作るプロの人、それぞれに好きな音楽を教えてもらう。全然視点が違うからね。売り手からしたら「何これ」って思うのを、作り手が「これめっちゃ好き」っていうのもあるから。そのへんは、どっちがいいとかの良し悪しじゃなくて、価値観の違いを理解して受け入れていくような気持ちで、なるべく幅広い音楽は聴こうとしてる。

 

——新しいジャンルに踏み込むことって、難しいと思ってしまうのですが…。

AOKI:でも、掘るよりも自分でジャンル作る方が難しいと思う。例えばドラムンベース(同サイト、クラブニュージックジャンルわけ参照)やってる人がいきなりテクノやって良いの作れるかって言ったらちょっとむずかしいと思う。僕もテクノのパーティーにはずっと行ってたけど、作る音楽がテクノじゃなかった。テクノDJがかけるようなテクノの音楽を作れるようになったのも最近やからね。まだテクノのレコードも出せてないけど、来年からちょっとずつ出していこうと思ってる。本格的にライブやらしてもらえたり、リリース出来るようになったのも、テクノ作るようになってから六年〜七年かかってるもんね。
 でもまあ、掘ったりするのは簡単じゃない?だって、普通に調べて聴けばいいだけやから。「誰かが良いと言ってたから良い」じゃなくて、「自分がなんでこの曲好きなのか」をはっきり言葉で言える様になってきたら掘りやすくなってくると思う。なんでこれが好きかっていうのがちゃんと言語化できたらこっちのもんじゃない? 音楽ってそうじゃない?誰が作ってようが、ジャンル関係なくええもんはええやん。「ええもんはええ」って言える感受性じゃない?後は、周りに流されない気持ちと言うかね。

 

——新しく知った一つの曲からたくさん聴いていくというのが良い掘り方ということですね。

AOKI:でも、時間は限られてるから、闇雲に聴くんじゃなくてね。一曲聞くのに5分、10分はかかるわけやんか。一回しか聴けへん曲もあれば、何回も聴く曲もあるし。だから、たくさん聴くのももちろん重要やと思うけど、「これ好き」ってパって思える感受性じゃない?本当に自分に正直な部分が重要になってくるんじゃないかな。
 やっぱり掘る人らってホンマに無我夢中やんね。蝶を追いかけて山の上まで行くような感じなんちゃう。過酷な状況でもいとわないというか、ホンマに好きな人は放っておいても良いもん探してくるし。
僕の尊敬してるKoheiくんっていう京都に住んでるDJが居るんやけど。彼が、「音楽を愛したら、音楽に愛してもらえる」って言ってた。やからどれだけ音楽を愛してるかがやっぱ重要になってくる。でも人でもそうじゃない?どれだけその人を愛するかで、やっぱ、どう愛されるか変わってくるからね。やから、自分がほんまに音楽に愛されたかったらやっぱ音楽を愛するしかない。
 でも、日本語で「愛してる」って言っても漠然としてると思うねん。僕、昭和初期の英和辞典を見たことあるねんけど、「LOVE」を調べたら、「愛してる」っていう言葉じゃなく「大切に思う」って言葉やった。「愛してる」って言われても僕もよく分からんけど、大切に思う気持ちってやっぱあるやんか。それは物に対しても音楽に対しても人に対しても使える言葉やから。やからそういう意味でも僕は、「LOVE」の「愛してる」っていう訳を使うよりかは「大切に思う」っていう言葉の方がなんかしっくりくると思うんやんか。やからそういう意味では僕は音楽を大切に思ってるし愛してるんやと思う。

 

——聴く曲も、音楽の聴き方も上手な人に聞くといいものなんですね。

AOKI:まあ、志高くあれってことじゃないかな。将来的に、志の高い生き方がしたいのなら若い時期からそういう人らとつながっといたほうがいいと思う。なんでもそうやけど、少量の蓄積がものすごい大きいものになるやんか。だから、日々ちっちゃいことから成功していかんとでかい成功ってありえへんと思うねん。いきなりでかい成功やれ言われても「できません」ってなるやろうし、純粋にできへんと思う。でも日頃、例えば食べるものを志高く、聴くものも志高く、人に接する方法もなるべく志高く、着るものも清潔感持つとか。そういうちょっとした志を、気づく範囲で高くしていけば自ずとそういう人たちと引き合うからね。だから、そういう世界を将来的に求めてるのであれば、常に志高くあった方が近道はできるって経験上思いますね。やっぱ、昔乱暴な人って今も乱暴やもんね(笑)でも、昔乱暴な人でも今志高くやってる人はそれなりに志高い人らと遊んでるからね。だからやっぱそういうの重要なんちゃうかなって思う。

 

 

音楽の掘り方 第3弾part3〜実践編〜につづく!!!

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