「音のデザイン」という視点から、音楽の基本を学びなおす
担当者: 谷口文和
こんにちでは音楽のスタイルや制作手段はきわめて多様化しており、創作の自由度も高くなっている。とはいえ、音楽が音を用いた表現である限り、そこから「音の響きをいかにデザインするか」という共通の問題を見出すことができる。これまで「作曲」や「演奏」という視点から扱われてきた音楽を生み出す行為を、この講義では「音のデザイン」として根本的にとらえなおす。
具体的には「拍子」「音階」「音程」「和音(コード)」といった基礎概念を中心に、それぞれの仕組や相互の関係を解説する。しかし、単に知識として丸覚えするのではなく、音を操るための土台としてみずから使いこなせるようになることを目指す。いわゆる「楽典」に近いと思われるかもしれないが、クラシック音楽を前提とした従来の楽典の説明方法を見なおし、より現在の音楽環境に沿ったかたちで理論を整備していく。授業では主に英語式の音名表記を用いるが、五線譜も仕事で困らない程度に読めるようになることを目標とする。 授業は講義と演習の形式を交えながら進める。定期的に到達度テストを実施し、理解の度合いを見ながら進め方を調整する。