大概日々 /

蓮華寺にて恍惚

叡山電鉄の三宅八幡駅を降りて少し歩いた、左京区上高野にある蓮華寺(れんげじ)に行ってきました。


蓮華寺

山号:帰命山

宗派:天台宗

本尊:釈迦如来

創建:1662年(寛文2)再興

開基:今枝近義


これによると…蓮華寺は、応仁の乱以前は京都駅付近にあったお寺で、以後に今枝近義によってこの上高野に移され再建されたもの。再建の際に、石川丈山の池泉回遊式庭園、本堂には狩野探幽作の龍の図(明治時代に無くなった)、木下順庵の撰文などが加わったため、黄檗宗の様式の建築と江戸初期の池泉鑑賞式の典型ともいえる庭園をもつ寺院となったらしいです。

蓮華寺 庭園

庭園には「蓮華寺形灯籠」と呼ばれる石灯籠や、石川丈山による亀頭石、舟石が池に置かれています。また、庭園に植えられている植物でも楽しむことができます。秋は紅葉が有名ですが、春のシャクナゲや初夏の青もみじ、夏のサルスベリが要所に花を咲かせることで年間を通して楽しませてくれます。

この柱によって、まるで額縁の中に庭があるように見えるため、奥の室内から鑑賞することを勧められ移動してみると、絵のような、写真のような光景がリアルに広がっていて感動しました。紅葉の見頃は終了とされていましたが、ほのかに残るもみじと、計算されて置かれた石と、水の揺らめきによって、穏やかな時間を過ごすことができました。

(文 / 西村)