Bass Drums Guitar Vocal コラム

【弾いてみた】リアルな練習風景から見える一緒に奏でる本当の魅力【ヨルシカ / ただ君に晴れ】

今回はPYONGで各パートの記事を担当しているメンバーが、ヨルシカ「ただ君に晴れ」を実際に演奏してみました。曲決めから2週間、全員で合わせて練習出来たのは2時間ほどだったのですが、そんなバンド練習のリアルな空気感を楽しんでもらえれば嬉しいです。

みんなの練習風景や撮影に挑む姿を、コラム記事を担当している前川がレポートしました。

練習中

Gt「サビからやろっか〜」Vo「1回あたまからやってみる?」と、この2人の提案で練習が進んでいる様子があった。具体的な声掛けがなくても、ボーカルが口ずさんだのにリズム隊が加わったり、そのままみんなで最後まで演奏してサラッと終わったり。各々が別のことを練習していても、今みんなが同じ曲に向かっているのだなと感じるのが楽しかった。

仕切り直して始める時はドラムのカウントから。狭い練習室での仲間内の演奏でも、ドラムのテンポの提示があるとグッと空気が引き締まる。準備時間が短かったこともあり、合わせ練習中はそれぞれ自身の手元に集中しているのが分かる。ドラムとベースがお互いのミスに気付きあっている場面を見て、それぞれ自分の役割に集中して取り組んでいても、決して1人よがりになるわけではない。お互いの存在を感じながら一部になっているのだなと感じられた。

みんなでの演奏が終わると、その延長線かのように各々の確認に戻る。練習風景のレポートを書いている私ばかりが「おお〜!」ってなっていて、みんな何事もなかったかのように、ギターとベースの2人は手元の練習をして、ボーカルとドラムの2人は音源を聴き直している。ある程度それぞれの確認が終わったら、また「次はこんな風にやってみようか」と提案をしたり、音の大きさはどうかと話し合って試してみる。1人1パートずつ役割を担当しているから、グループディスカッションみたいに発言力がある人の意見が先行していく感じがなく、みんなが対等にお互いの意見を求め合えるところが良さだと思った。

撮影開始

練習室の中だし緊張感はないのだけど、どこか潜在的な集中力が高まったような雰囲気はあった。練習中は各々が自分自身の手元を確かめながらって感じだったけど、撮影という本番では、バンド全体で合わせるということにも意識が向けられていた。

年上でいつも冷静に、PYONGの運営の話し合いでも客観的な視点を持っていてくれた前田さんのドラムは、みんなが心を預けて集中できる安心感をくれる堅実的なリズムを刻んでいた。いつもは大胆で前のめりで、いつ会ってもパワフルな勢いをくれるベースの豊田くんが、バンドの・楽曲の土台としてベースの役割を真っ当している姿は、意外性がありそうなのにとても馴染んでいた。ギターの山口くんは、普段の柔らかい雰囲気がこの曲のどこか繊細な魅力をとてもよく引き出していて、でも長く続けてきたギターを手に開放的に表現してくれて、バンドと音楽の色を鮮やかにしてくれた。ボーカルの松本さんは、いつもの頼りになる真面目な性格と真摯な姿勢で、ボーカルにチャレンジしてくれた。音程を丁寧に取りにいこうとする姿がひたむきで、楽器隊と調和して届く歌声が心地良かった。

1年間一緒に準備、運営してきたメンバーだが、楽器やマイクを持つことでこんなにも知らない一面が見えてくるのだなと驚いた。PYONGの最初の記事で「あなたの才能を音楽で鳴らしたい。」という想いを記したが、本当に音楽は人の新しい魅力を引き出してくれることを実感した。改めてこの記事を読んでくれているあなたが、音楽を通して新しい自身の魅力に出会えますように。

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