目的
Transcultural Collaborationは、他に例のない、アートやデザインを学ぶ大学院生向けの国際的セメスタープログラムであり、Shared Campusの提携校が協力して運営しています。
アートとデザインのあらゆる分野から選ばれた30人の参加者に、チューリッヒと台北を探訪する機会が与えられ、予めなにも決められていない成果物の制作のための実験を共同で行います。
1)文化横断的共同作業とは……
今日、優れたアーティスト、パフォーマー、ミュージシャン、キュレーター、デザイナーには、複眼的なマインドセットが不可欠であり、また、地球規模の枠組みの中でアイディアを伝え、意見を交換し、議論を行い、幾重にも絡み合った様々な課題や疑問を批判的に吟味することへの、真摯なコミットメントと意欲が必要になっています。私たちが直面している問題は複雑で切迫したものであり、これらの問題に取り組むためには、緊密な共同作業が不可欠であると確信しています。
2)チューリッヒと台北のあいだ……
チューリッヒと台北は、このプログラムの主要な場所となります。探求と実験のための拠点であり、共通の遊び場です。この2つの場所は、文化的にも歴史的にも全く異なる発展形態と生活環境を持っており、それゆえ、価値体系や政治、伝統、文化的ハイブリッド化、さらには権力構造など、様々なテーマについて考えを巡らすための興味深い気付きと機会を提供することになるでしょう。
3)文化横断性について……
今日クリエイティブな活動をしようとするのであれば、様々な文化と向き合うために、様々なレベルで文化横断的な考え方や態度が必要です。なぜなら現代のクリエイターたちは、異なる政治的、社会的、文化的文脈の間でファシリテーターとして立ち回らなければならないからです。専門的な能力が必要なのはもちろんのこと、世界中の文化や社会の多様性を理解し、切り抜ける能力が求められます。アーティストやデザイナーは、刻一刻と変化する状況のなかで、自らを観察し、反省し、主張し、立場を表明し、摩擦に耐えつつ、状況を可視化し、媒介し、生み出し、緻密に行動するよう求める、仲介役の役割を果たすことができるのです。
4)コラボレーションについて
異なる作業方法やアプローチを利用することで、通常の想像力や能力を超えたアイデアやコンセプトが生まれるかもしれません。コラボレーションを主な作業方法として取り入れると、自分とは違うマインドセットや伝統、感性的な着眼点と対峙せざるを得なくなります。文化横断的で領域横断的なチームで作業することにより、共通の関心事について直接意見を交換したり討論できるばかりではなく、お互いの捉え方や価値や作業手順について批判的に考察することもできるようになるでしょう。これは、制作時に使える引き出しの数を広げることを意味しますし、自分の専門性を再認識するためにも役立ちます。
5)プログラムの構成について
プログラムは、チューリッヒでの4週間の滞在と、フィールドトリップを含む台北での11週間の滞在の2つのパートに分かれています。コアプログラムは、制作ベースのコラボレーションと様々な組み合わせによる参加者の間のチームワークづくりに特化しています。毎年そのセメスターのテーマが変わり、それについての一連の講義を通して、議論の焦点をはっきりさせ、作品制作に向けた実験のための枠組みを提供します。また、ゲストスピーカーによる講演やエクスカーション、ワークショップがコアプログラムを補完します。参加者は、すべての提携校から厳選された教授陣はもちろん、アートとデザインの多様な分野で活躍するインディペンデントなアーティストや専門家からも、親身なサポートを受けることができます。セメスタープログラムではチューリッヒと台北の両方で、公開プレゼンテーションを行います。
指導教員
アジアやヨーロッパからの講師やアーティストが集結します。アートやデザインの様々な分野から、様々なアカデミックなバックグラウンドを持った教員が揃います。
- Zhao CHUAN
Theater Director, Shanghai - Dimitri DE PERROT
Musician, Theater Director, Zurich - Simon DIETERSDORFER
Actor, Musician, Vienna - Ricardo EIZIRIK
Composer, Berlin - Sabine HARBEKE
Deputy Head of BA / MA Directing, Theater | Professor, BA / MA Theater and Directing, Department of Performing Arts and Film (ZHdK) - Nuria KRÄMER
Programme Manager, Shared Campus | Deputy Head, Transcultural Collaboration (ZHdK) - Chi Wo Warren LEUNG
Associate Professor, Visual Arts (SCM) - Takuro MIZUTA LIPPIT
Co-Director, Asian Music Network (SEIKA University) - Isabel MUNDRY
Lead, Studio of Contemporary Music, Department of Music | Professor, Composition and Theory, MA Transdisciplinary Studies, Department of Music (ZHdK) - Kingsley NG
Assistant Professor, Media Art, Experience Design, Social Innovation, Sustainable Design | Coordinator, Crafts and Design Division, Academy of Visual Arts (HKBU) - Daniel SPÄTI
Chair, Shared Campus Project Team | Head of Transcultural Collaboration (ZHdK)
期間
- 2021年8月23日〜12月3日(15wks)
単位互換制度
- 半期分の交換留学として扱う
定員
このプログラムでは参加提携校から30名の修士課程の学生に場所を提供しています。舞台芸術、音楽、美術、メディアアート、キュレーション、デザイン、美術教育など、アートとデザインに関わる幅広い分野から募集します。多様な分野が程よく混ざりあうよう心がけています。
2021年のTranscultural Collaborationには、Shared Campus提携校の他に、中国美術学院(杭州)や南京大学(南京)、東京藝術大学(東京)からも学生が参加する予定です。
応募資格
- 文化横断的な課題を特定し、分析することに強い関心と意欲を持っていること
- 異なる文化的・学問的背景を持つメンバーで構成されたチームで作業をする能力と興味を持っていること
- 自分自身と自分の作品をさらけ出し、批判的な考察に取り組み、芸術的なリスクを冒して実験し、セメスタープログラムにフルタイムで参加しようとする意欲
- 英語が堪能であること
必要書類
- 志望動機書(A4で1〜2ページ。英語)
- 履歴書
- 面接
審査プロセス
- 応募締め切り:2021年4月30日
- 面接を2021年5月に実施し、2021年5月31日までに参加の最終確認を行います。
- 応募書類の提出や、その他の相談やご質問は所属大学の担当者に連絡すること。
- 京都精華大学:ポピュラーカルチャー学部・安田昌弘(yasuda_at_kyoto-seika.ac.jp→_at_を@に変換してください)
オンライン説明会
2021年4月8日、日本時間18時からオンラインでの説明会を実施します(英語)。参加を希望する方は、ヴァレリー・ジェッツァー(valerie.jetzer@zhdk.ch)宛にメールで申し込んでください。
全体のコーディネートを担当するダニエル・シュペッティとヌリア・クレーマーによる2021年度のプログラムの簡単なプレゼンテーションのあと、以前の参加者との交流する機会があります。彼らの作品や経験の印象を知ることができる様になっています。
更に知りたい方へ
運営:「文化/歴史/未来」テーマグループ