Streets 〜街路で考える〜 期間:2021年8月9日〜27日 オンライン方式(各加盟校をオンラインで結んで実施)
概要
パンデミック以来、自宅に仕事スペースが統合され、わたしたちの生活様式や私的空間が今までと根本的に別の意味をまとうようになりました。それと同時に、パブリック、プライベートの交差を経験し、「公共空間(パブリックスペース)」とはなにかというわたしたちの認識も劇的に変化しました。このようにわたしたちは、(社会的)距離とか、コロナのために入れなくなった場所とか、逆にコロナ以降新しく通うようになった「場所」(それがリアルな場所であってもバーチャルな場所であっても)を意識して生活せざるを得なくなっています。
「公共空間(パブリックスペース)」とは、常に異なる人々によって形作られ、様々な葛藤や権力関係が表象される場であり、それに対する抗議や主張が行われる場であり、法が執行される場所ですが、同時に新旧様々な文化が身体化される場でもあります。「公共空間」への関わりやそこでの経験は、その人のいる場所や、その人の持つ文化的背景、アイデンティティによっても劇的に変化します。
『Streets』サマースクールでは、こうした表現の場である公共空間を構築する場のひとつである「ストリート」を舞台に、自らの身体性や空間へのかかわり、それを通した「パブリック」へのつながりを再考し、「脱・植民地化」――すなわち既存の権力や社会の構造から自由になろうとする動き・葛藤――という視点から公共空間がどのように利用され、社会運動や表現活動がそこにおいて展開されているかを探ります。参加者は、先住民族のアーティスト、活動家、研究者との共同作業を行い、公共空間における対面でのやりとりや、取り巻く環境とのつながりをつくるワークショップを通じて、所有やアイデンティティや帰属意識に関する先入観をときほどいていくことになるでしょう。
1週目は、いくつかのオフラインワークショップと、実際にそれぞれのワークショップ開催地における音声、文字、映像、スケッチなど多様なフィールド記録の収集に費やされます。その後参加者はグループに分かれ、メンターの助けを借りながら、対面にてフィールドワークの成果を展示します。こうしていろいろな場所で展開される展示を、ひとつのバーチャルな展示として連結させていきましょう。このサマースクールは2021年に京都で開催される「ICAS – Crafting The Future」という国際会議と連動しており、参加する学生たちは、国際色豊かなオーディエンスに向けて作品を発表することができます。
身につく知識と能力
- 学際的な場でリサーチを行う
- デコロニアル理論の主な考え方と都市居住の問題について、踏み込んだ知識を得る
- クリティカルかつコンセプチュアルなものの見方
- 文化横断的な適応力を体得し、文化的ネットワークを構築し、拡張する
- 多様な情報源から適切な情報を見極め、自分の作品に統合し、適用する力
担当教員
- Dr. Kae Amo, Artist, Anthropologist and Lecturer (Kyoto SEIKA)
- 阿毛香絵:アーティスト、文化人類学者、京都精華大学講師
- Jennifer Teeter, Musician, Social Sciences Researcher (Kyoto SEIKA)
- ジェニファー・ティーター:音楽家、社会科学研究者、京都精華大学
- Dr. Evelyn Kwok, Research Assistant Professor (AVA/HKBU)
- イブリン・クォック(郭漪霆):インテリアデザイナー、香港浸会大学助教授
- Michael Leung, Artist, Designer, Urban Farmer and Visiting Lecturer (AVA/HKBU)
- マイケル・ロン(梁志剛):アーティスト、デザイナー、都市型農民、香港浸会大学非常勤講師
- Prof. Mee Ping Leung, Artist and Professor (AVA/HKBU)
- ミー・ピン・ロン(梁美萍):アーティスト、香港浸会大学教授
- Dr. Annemarie Bucher, Art and Landscape Historian, Curator, Lecturer BA Fine Arts (ZHdK)
- アンヌマリー・ビュッハ:美術/景観史研究者、キュレーター、チューリッヒ芸術大学講師
- Rada Leu, Artist, Musician and Teaching Assistant (ZHdK)
- ラダ・リュー:アーティスト、音楽家、チューリッヒ芸術大学ティーチングアシスタント
ゲストスピーカー
- Lucille Reyboz & Yusuke Nakanishi, Founders and directors of KYOTOGRAPHIE (International photography festival)
- ルシール・レイボーズ & 仲西祐介:KYOTOGRAPHIEの創始者・ディレクター
定員
このプログラムでは、舞台芸術、映画、音楽、美術、メディアアート、デザイン、美術教育など、幅広い分野のアートとデザインの学生30名に参加の場を提供しています。
応募サイト
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*サマースクールの応募方法についてはこちらを参照してください。
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