脱マスメディア時代のポップカルチャー美学に関する基盤研究

文部科学省科学研究費支援事業
基盤研究(A)
19H00517

本研究は、これまで主として社会学、文学研究、歴史学などによって担われてきた現代のポップカルチャー研究を美学・芸術学を基盤にした視点から包括的に捉えていこうとするものである。近年、マンガ、アニメ、TVゲーム、イラスト、ファッション、ポピュラー音楽などのいわゆるポップカルチャーに対する関心が集まっている。だが、それらの文化領域を包括的に捉える理論的な視点や、それぞれ表現ジャンルとしての独自性を抽出し、共通する性質を取り上げようとする美学的・芸術学的な立場を構築しようとする試みはこれまでほとんどなされてこなかった。本基盤研究は、さまざまな専門家から高い評価を受けた六年にわたるこれまでの研究成果を、国内外の研究協力者に呼びかけ、さらに充実させることによって展開し、ポップカルチャーを20世紀末から21世紀にかけて最も突出した「文化事象」として捉え、「商品」という装いの下に隠されているポップカルチャーの文化的潜勢力に、基盤メディアの変容(「脱マスメディア」)という視点から光を当てようとするものである。

研究代表者:室井 尚(横浜国立大学教育学部教授)

研究分担者:
吉岡 洋(京都大学こころの未来研究センター特定教授);
秋庭 史典(名古屋大学情報学研究科准教授);
佐藤 守弘(京都精華大学デザイン学部教授) ;
吉田 寛(東京大学大学院人文社会系研究科(文学部)准教授);
カルパントラ ファビアン(横浜国立大学大学院都市イノベーション研究院講師)