第二回公開研究会:ワークショップ型授業とはなにか

主旨

ポップを教える、ポップで教える第2回公開研究会

高等教育としてのポピュラー文化教育では、作品制作やフィールドワークなど、実際に手足をつかって知識を身につけてゆくことが多い。体験型とかワークショップ型と言われるこうした授業形態は、理論を学んでから実践に応用するという一般的な教育サイクルを逆行する。それはアメリカの人類学者K・L・ パイクが提示した「イーミックな」知識の獲得を可能にし、ドイツの哲学者J・ハーバーマスのいう「公共圏」のような、参加者の相互理解を理想とする対話を促すものであるとされる。
しかし、近年では、その目的や内容の十分な検証がおこなわれないまま「ワークショップ」という言葉だけがひとり歩きしてしまっているような状況も見え隠れする。ワークショップ参加者たちが得た「気付き」を整理し、理論化する時間を割かず、ただみんなで楽しく手を動かしただけというようなものになってしまうケースも少なくない。
上記のような問題意識を踏まえつつ、今回のシンポジウムでは、上田信行さん、若尾裕さん、岡部大介さんというワークショップ教育の今を切り拓くパネリスト各位の先進的な活用事例を踏まえながら、理論背景など抽象度の高い話と、計画の注意点、運営のコツなどの具体的な話を交差させながら、高等教育における教育手段としてのワークショップのあり方を見直してみたい。

日時

7月4日(土) 15:00〜18:00
15:00〜:上田信行&girlsMedia Band
15:40〜:若尾裕
16:20〜:岡部大介
17:00〜:ディスカッション

場所

京都精華大学友愛館Y005実習室
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友愛館は情報館(図書館)の隣の建物です(キャンパスマップ

登壇者

上田信行

uedalite同志社女子大学現代社会学部現代こども学科特任教授、ネオミュージアム館長。1950年、奈良県生まれ。同志社大学卒業後、『セサミストリート』に触発され渡米し、セントラルミシガン大学大学院にてM.A.、ハーバード大学教育大学院にてEd.M.、Ed.D.(教育学博士)取得。専門は教育工学。プレイフル・ラーニングをキーワードに、学習環境デザインとラーニング・アートの先進的かつ独創的な学びの場づくりを数多く実施。1996〜1997ハーバード大学教育大学院客員研究員、2010〜2011MITメディアラボ客員教授。著書に『プレイフル・シンキング:仕事を楽しくする思考法』(2009、宣伝会議)、『プレイフル・ラーニング:ワークショップの源流と学びの未来』(2013、共著、三省堂)、『協同と表現のワークショップ:学びのための環境のデザイン』(2010、共編著、東信堂)など。

若尾裕

DSC00136広島大学名誉教授及び神戸大学名誉特任教授。関わってきた分野は、現代音楽、クリエイティヴ・ミュージックなどの新しい音楽教育、サウンドスケープ学、音楽療法学を含む臨床音楽学、即興演奏と幅広い。ワークショップ主体のクリエイティヴ・ミュージック・フェスティバルを1996年以来毎年開催している。アーティストとしての最近の試みとして特筆されるものに、訪れた人だれとでも即興演奏を三日間続ける『即興の部屋』(2012、京都芸術センター)、訪れた人みんなでF#の音をひたすら三日間歌い続ける『F#の部屋』(2013、京都芸術センター)など。近著に『親のための新しい音楽の教科書』(サボテン書房2014)、『ケージからの脱出』(アルテスパブリッシング現在編集中)など。訳書にP・ヘガティ『ノイズ/ミュージック』(みすず書房2014)、S・ナハマノヴィッチ『フリープレイ―人生と芸術におけるインプロヴィゼーション』(フィルムアート社2014)など。CDに『千変万歌』(ジョエル・レアンドルとの共演、メゾスティクス2002)など。

岡部大介

okabe011973年山形県鶴岡市生まれ。2001年から横浜国立大学教育学研究科助手、2004年慶應義塾大学政策・メディア研究科特別研究員を経て、2009年より東京都市大学環境情報学部講師、2012年より同大メディア情報学部准教授。専門は学習環境デザイン。モノをつくることによる学び、また、ファン活動など人びとの動機が集合的に達成されていく場のエスノグラフィを、状況的学習論や活動理論の知見を援用しながら分析している。著書に『Personal, Portable, Pedestrian: Mobile Phones in Japanese Life』(共編著、MIT Press、2005年)、『ケータイのある風景:テクノロジーの日常化を考える』(共編著、北大路書房、2006年)、『Fandom Unbound: Otaku Culture in a Connected world』(共編著、Yale University Press、2012年)、『状況と活動の心理学』(共編著、新曜社、2012年)、『デザインド・リアリティ[増補版]集合的達成の心理学』(共著、北樹出版、2013年)など