大事なのは「人とのつながり」/株式会社C&Bグループ、OFFICE C&B MUSIC代表取締役 渡邊仁さん(執筆:武田佳奈絵)


渡邊仁さん

今回、私は株式会社C&Bグループ、OFFICE C&B MUSIC代表取締役の渡邊仁さんにお話を伺った。渡邊さんとは、私が高校生の時に音楽教室で出会ったのだが、彼の活動に以前から興味があり、ぜひ一度ちゃんとお話を伺ってみたいと思い、今回インタビューさせていただいた。

■お互いを助け合うため

楽曲制作はもちろん、イベント企画やギタースクールといった幅広い活動をしている渡邊さん。しかし、時には株式会社C&Bグループのもう一つの会社、ホームヘルプサービスセンターC&Bのお手伝い、つまり介護のお仕事もしている。

まずは音楽の仕事から紹介しよう。主にレコーディング、ライブサポートが中心だが、2017年6月、渡邊さんがリーダーとなり、篠笛・箏・ギター・ベース・ドラムが融合した和ジャズ『和仁伝』がリリースされた。他にも、行政や企業から依頼を受けて作曲、アレンジをする等、ジャンルにとらわれることなく楽曲制作をしている。また、自身でC&B MUSIC Schoolの運営や、レミューズカフェ音楽教室、JEUGIAカルチャースクール、エチュード音楽教室の講師として、初心者からプロ志向の方を対象にギターを教えている。

『和仁伝』

次に介護の仕事の紹介だ。ホームヘルプサービスセンターC&Bは、京都市内全域、主に向島を中心に活動している。会社が設立したのは約10年前だが、渡邊さん自身は介護の仕事を始めて約6年と言う。訪問ヘルパーの派遣が中心で、渡邊さんはそのお手伝いをしている。

なぜ「音楽」と「介護」という、それぞれ別の2つの会社を1つにまとめたのだろうか。

渡辺さんにお話を聞くと、それは「お互い協力し合えるから」だと語ってくれた。

「音楽療法的にもそうだけど、純粋に音楽の楽しさを与えることもできやすい。お年寄りの方にしても、障害者の方にしても、音楽を聴くことや聴きに行くことが楽しいという人も多くいる。だからこそ、個人でやるよりもお互い協力し合って幅広く活動できたらいいよね」

最初から会社をまとめようと思っていた訳ではなく、以前から介護事業者の方とはご縁があり、「お互いを助け合えたら」という思いから全ては始まったそうだ。1つではなく、2つだからこそやりやすいこともある。人手が足りていない時には助けることができるし、逆の時は助けてくれる。株式会社C&Bグループとは、お互いを尊重し、協力し合うことで生まれた、人を思う優しさから出来た会社なのだ。

■大事にしていること

音楽にしても介護にしても、仕事をする時に大事にしていることは「人とのつながり」だと言う渡邊さん。誰かが困っていたら助けてあげる。そうしたら、こっちが困っていたら助けてくれる。そうやって絆を広めていくことが大事だと言う。

「会社や仕事じゃなくてもさ、困っている人に対して見て見ぬふりをするのか、手を差し伸べるかでは変わってくると思う。それが5年後や10年後、何か変化があるんじゃないかな。もちろん、できないことはできないで仕方ないこともあると思う。でも、自分たちの見える範囲でそういうのがあるのであれば、やっぱり助け合わないとダメだと思う。全ては助け合いかな」

自分さえ良ければいい、ではダメだと語る渡邊さん。利益だけを考えていると、得るものが多い分、失うものも多いく、人間関係はすぐ崩れてしまうと言う。

「全くの赤の他人でも、チームプレーをすることはできる。人間って一人やけど、お父さん、お母さんっていう家族のつながりがある。そこから友達ができて…先輩後輩ができて…またそこから会社で先輩後輩ができて…このつながりをみんなが持っていると思う。自分一人じゃ成り立たない、このつながりを大事にしてほしい」

人間だから悪いところももちろんある。だけど、悪いところを見るよりも、良いところを見て褒めてあげる。そうしてお互いを引き伸ばしていける関係を作ることが大事だと語ってくれた。

■インタビューを終えて

「ソーシャルデザイン」という言葉を初めて聞いたときから、私はずっとそれが何を指すのかよく分からなかった。しかし、今回のインタビューを終えて、私は「ソーシャルデザイン」という言葉を難しく考えすぎていたのかもしれない。「〜をしているからソーシャルデザインだ」というより「無意識にしていることが実はソーシャルデザインだった」ということの方が多いのではないだろうか。渡邊さんもその一人だろう。「音楽」と「介護」、一見関係なさそうに思えるが、どちらも「人とのつながり」を軸に繋がっている。改めて「ソーシャルデザイン」とは、人と人とのつながりを作ることなのではないかと感じた。
そして、きっかけは何であろうと、渡邊さんと出会えたのも一つのご縁だ。このご縁を大事にしたいし、これからも人とのつながりを広めていければと思う。そのためにも、まずは友達をたくさん作るところから始めたい。

参考:http://www.cb-music.net