〜人とのつながりを〜 小さな田舎町のバーベキュー屋さん/「TEBURA.」石黒ケントさん(執筆:石黒敦史)


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 今回私(石黒)は、京都府相楽郡笠置町に拠点を置き、手ぶらバーベキュー事業「TEBURA.」を立ち上げ、活動している石黒ケントさんについてのインタビューを行ってまいりました。
 バーベキューといえば、海や川、湖などで場所を借りて、自分たちで機材やお肉などの食料を持参し、自分たちで準備し片付けるというのが一般的かと思われます。そんな常識を覆すのか手ぶらバーベキューです。文字通り何もいらないバーベキューサービスです。バーベキューをするときに必ずネックになるのが機材や場所、準備片付けだと思うのですが、手ぶらバーベキューはそれらを全て業者が負担してくれるので、利用者は機材など一切持たずにバーベキューを楽しむことができます。
 今回取材させていただいた「TEBURA.」も上記で述べたようなサービスを行っています。笠置キャンプ場に拠点を置いている「TEBURA.」は笠置キャンプ場での場所取り、機材の貸し出し、準備から片付けまで全て行ってくれます。
食材も少し用意してもらえます。身内で利用するもよし、何かのイベントで利用するのもよしと様々なシチュエーションで利用することができます。
 実は今回インタビューさせていただいた石黒ケントさんとは約5年前からの知り合いで、今も一緒にバスケットボールをしています。付き合いが長かった所為か、初めはケントさんから「自営業をする」と聞いた時は特に何も感じなかったのです。しかし後になってよく考えてみると、なぜ自営業をすることにしたのか、なぜ手ぶらバーベキューを、など色々疑問が出てきたので、今回インタビューさせていただきました。
ケントさんはなぜ手ぶらバーベキューを選んだのか、そして彼の仕事に対する思いなどなど、様々なことを伺いました。

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■ケントさんインタビュー
Q(石黒)この手ぶらバーベキューをすることになったきっかけや、この仕事に対する思いなどはありますか?あれば是非お聞きしたいです。

A(ケント)人と人とをつなげていく仕事をしたくて、その手始めとしてこの手ぶらバーベキューという仕事を選びましたね。人と人とをといっても、僕とお客さんではなく、最終的にはお客さんとお客さん同士を結びつけてあげることができたらいいなと思っています。そこからイベントや企画を組んだりして色々なところとつなげていって、コミュニティの場というか、どんどん大きくしていければなって思ってますね。具体的には“婚活”であったりだとか、“異業種交流会”とかをできたらいいなと思ってます。
 例えば介護士の友達が居てるんですけど、男の介護士って少ないじゃないですか。女性の方が多いと思うんですけど。そういう少ない立場の人同士を引っ張り合ってきて、仲良くなるツールとしてこの手ぶらバーベキューを利用して欲しいですね。
 あと、実際自営業をするってなるとお金もかかりますが、バーベキューだと機材とかのお金もかからないというのも、理由のひとつにありました。

(石黒)あくまで人と人をつなげる仲介役として、ということですね。

(ケント)そうですね。1つイベントや企画ができたらそこからまた派生していって違うイベントが組めたら楽しいかな。いろんなイベントの手助けというかきっかけになれればいいなと思っていますね。

(石黒)そうだったんですね。ちゃんと目的を聞いたのは初めてだったので良い意味で意外でした。(笑) でもソーシャルデザインっぽいですね(笑)

(ケント)そうですね(笑) いま拠点を置いてる笠置町の町議会議員と仲良くしてて、協力してくれそうな流れがあって、また違う道が開きつつあるからそこが面白かったりもします。

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Q(石黒)なぜ笠置を選んだのですか?近場という意味では奈良も十分あり得たと思うのですが。奈良の方が人も多いので
A(ケント)正直近いからっていうのがあるんですけど(笑) でも笠置町って意外と地味にポテンシャルが高いんですよ。キャンプ場があって、カヌー発祥の地であって、ボルダリングが有名なんですよ。マイナス面で見ると、笠置町は全国で2番目に人口が少ない町なんです。それってド底辺じゃないですか。しかも1番じゃなくて2番目っていう(笑) 高齢の方も多くてこのままだと減っていく一方なんですよ、ぶっちゃけ(笑) 実際過疎化も進んでいて若い力が必要なんですよね。町内会に入ったんですけどものすごく歓迎されましたね。人数調べてみたら若い世代は極端に少なかったですね。僕がたぶん最年少だったと思います。
(石黒)そうなんですね。僕も隣町に住んでましたけどポテンシャルが高いのは気づきませんでした(笑) 幽霊ホテルとかもありますもんね(笑)

Q(石黒)ケントさんは「職」「仕事」に対してどういう考えをお持ちですか?

A(ケント)仕事とは「人生を豊かにするもの」だと思います。今の大人って仕事に圧迫されてると感じませんか? その仕事が自分や家庭にとってプラスになって豊かになっていくのであればすごくいいと思います。仕事に食われてしまうと何か手を加えないと擦り切れて行ってしまうだけです。僕の中での基準は「面白いか、面白くないか」が大きくて、それで人が楽しんでくれるかどうか、ですね。楽しくない面白くないものには人は寄ってこないと思いますね。仕事という枠を超えてそういう人間になりたいですね。
あとは「楽しみ」だと思います。楽しみにしたいと思っています。それも各々の考え方とかで変わってくるかと思いますけど。例えばポジティブ志向な僕とネガティヴ思考の石黒くんがそれぞれのマインドで考え方や人生、マインドで全く同じ仕事をしたら結果は変わってくると思います。楽しみ方や人生の彩りとか。若い人もそういうマインドで仕事をして欲しいです。

(石黒)そういうマインドとはどういったマインドですか?

(ケント)マイナスばかりを見ずに、プラスを見て欲しいです。例えば営業の仕事をしてたとして、1件取れたとしたら、「1件“しか”とれなかった」ではなく「1件“も”とれた」と考えて欲しいです。実際病んだりもすると思うけど僕ならそう思おうとします。実際そこで上司から「1件取れたのか。やるやん。」と褒められたら、「1件とれてよかったんだ」と思い、向上心が出て前を向きますよね。僕は石黒くんにはそういうことを言える人間になってほしい。すると下の人がどんどん育っていって規模が大きくなっていくと思います。社会の指示系統はトップダウンが多いと思うんですけど、今のトレンドはみんなでアイデアを出し合って、ダウンからトップに、ですね。トップダウンの会社って結構業績落ちてきたりしているし、生涯就職と言われていても普通にクビになったりする時代で、大手企業に就職したからといって安定なんてないですよね。

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Q(石黒)他に何か伝えたいことはありますか?

A(ケント)もっと自信を持って自分からガツガツ行くことが大事だと思います。最初は無理してガツガツしてしんどいかもしれないけど、それが習慣になればしんどくなくなります。
 あとできるなら人をまとめる経験をしたほうがいいと思います。若いうちにまとめる経験なんてできないし、後になって必ずいきてくると思います。
失敗を想定して終わった出来事を失敗方面に捉えるより、成功を想像して、終わった出来事を成功方面に捉えてとにかくポジティブにいったほうがいい方向に進むと思います。いま悩んでいることも地球規模で考えたらミクロン以下ですよ。最悪死ななければ大丈夫な訳で(笑)
 みんなって変化を怖がるんですけど、その1歩を踏み出すことが大事だったりします。その1歩踏み出す勇気があるかどうかがすごく大きいと思います。

(石黒)その1歩がなかなか出ないんですよね(笑) 慣れていくしかないですね。

(ケント)だからガンガン挑戦すべきだと思います。若いうちに失敗しまくって経験勉強を積むべきだと思います。全部いい経験になると思うのでやり倒すべきです。

(石黒)なるほど。色々とすごく勉強になるお話でした。本日はお忙しい中ありがとうございました。

■取材を終えて
 今回取材をさせていただいて、色々なことを新たに学ぶことができました。
今まで特に何も感じなかった手ぶらバーベキューというケントさんのお仕事ですが、いざ考えみると「なぜこの仕事を? どういう気持ちがあったのか?」という疑問を強く持ったわけです。それで、今回のインタビューで僕の疑問に対する答えを全て答えていただき、「そうだったんだ」と気づかされることが多かったです。それと同時に、話している中で参考にしたい考え方などもたくさんでてきて、すごく有意義な時間だったと思います。僕は割とマイナス思考な方で神経質なので、考え方についてのお話はすごくタメになりました。
 まだ僕は将来何をするか、したいのかが見えていません。だからこそケントさんが話してくれた考え方や捉え方を頭に置いてこれからを見据えていけたらと思います。

参考:http://r.goope.jp/tebura