大概日々 /

「コーポ・ア・コーポ」大阪のボロアパートで描かれる人間模様。

コーポ・ア・コーポをご存じだろうか。

岩浪れんじ著の漫画で、現在5巻まで発売中。実写映画化も決まっている。

コーポ・ア・コーポは大阪の川辺にあるボロアパート、そこに住んでいる人達を中心に繰り広げられるライフストーリーだ。

コメディタッチで、様々な人たちが過ごす生活が群像劇的に繰り広げられる。だがそれは決して明るいものと言えない。そもそも第一話で、アパートで収集癖がありゴミ同然のものを拾いまくっていた人が自殺したところから始まっているのだから。

そんな自殺者が出た、しかしてそれを全く意識もさせずにアパートに住んでいるのは物腰が柔らかく、シュッとした男前だがヒモの中条。心根は悪くないのだろうが、ふとした瞬間、その時付き合っている相手に暴力的になってしまう石田。わかばを他のタバコと交換してもらおうとするおばちゃん(名前がわからない)。怪しげなおっちゃんの宮地。どうしても上手くやれず、不登校や深夜徘徊を経て学校をドロップアウトしたがなんやかんだで働いて一人で暮らしているユリ。

そんな訳ありの、悪いところもあれば、良い所もある人間らしい人、そしてそんな住人達に関わる人々が一悶着あったりと、様々なことがありながらも暮らしていく日々が描かれていく。

決して肯定的には捉えられないかもしれない境遇や生活、現実の世界で、身の回りにそういった人が居たら忌避する。という方も多いのかもしれない。得体の知れない、怪しい生活と捉えられもするだろう。

だがそんな人々に焦点を当て、決して否定的でなく。そこに当然いる人たちの生活を柔らかく、優しい眼差しで包みながらふと笑えるような、とても身近に、隣に住んでいるかのような感覚に陥る(これは私が関西在住というのもあるのかもしれないが)程愛おしく感じる。コーポ・ア・コーポ、群像劇になっているためどこから読んでも読みやすいのでCOMIC MeDuで一話、試しに読んでみては如何だろうか。

コーポ・ア・コーポ公式サイト

pixivコミック

(文 / 丸橋)