2015・12・2イベント情報
来る12月5日(土)と6日(日)、ポピュラーカルチャー学部の実習棟である友愛館で、日本ポピュラー音楽学会第27回全国大会(JASPM27)が開催されます。以下に、大会実行委員長の安田昌弘(音楽コース教員)から案内文を掲載します。
残念ながら、日本ではポピュラー音楽が学術的な研究対象とみなされているとはまだまだ言いがたい現状です。そんななか、ポピュラー音楽を対象とする研究者のフォーラムとして機能してきたのが、日本ポピュラー音楽学会(通称JASPM――[ジャスプム]と発音します)です。JASPMは1990年に正式発足した学術団体であり、以来毎年全国大会を開催してきました。また、1997年には学術誌『ポピュラー音楽研究』を創刊し、最先端のポピュラー音楽研究を紹介しています。
京都精華大学で開催する今回のJASPM全国大会では、6日14時から、友愛館3階のAgoraホールにて「音楽と場所〜京都から日本のポピュラー音楽文化の今を展望する」と題したシンポジウムを予定しています。登壇者は80年代の京都のアンダーグラウンド音楽シーンを牽引し、今や世界初のノイズバンドとも(最近は世界初のノイズアイドルバンドとも)称される非常階段のJOJO広重さん、90年代に Kyoto Jazz Massive として一世を風靡し、今年からは Kyoto Jazz Sextet というユニットでも活動を始めた沖野修也さん、最近京都に拠点を移し、東京を視野に入れつつ京都発の音楽のポテンシャルに注目する音楽評論家の岡村詩野さん、そして法政大学大学院政策創造研究科で、都市と文化経済の関係について研究する増淵敏之教授の御四方。ミュージシャンとして、評論家として、人文地理研究者として、様々な角度から京都と音楽の関係について意見を交換します。司会はポピュラーカルチャー学部音楽コースの安田昌弘が担当します。
また、同じ6日の朝10時から、友愛館地下2階の Magi Sound Studio にて「スタジオ・レコーディングのゆくえを、レコーディング・スタジオで考える」というワークショップを行います。同スタジオは故佐久間正英が設計を監修した録音スタジオで、高品位な収音が可能です。しかし、今やそのようなスタジオ録音が不要なほど、コンピュータによる音楽制作技術は進歩しております。そのようななかで、あえてスタジオという空間にこだわることの意義について、『サウンド&レコーディング・マガジン』での連載でも知られるレコーディング・エンジニアの中村公輔(aka Kangaloo Paw)をお迎えして参加者と一緒に意見交換します。司会はポピュラーカルチャー学部音楽コースの中伏木寛が担当します。
JASPM27の参加費は、一般が4,500円、学生が2,500円です(当日受付のみ)。6日のシンポジウムのみの参加も、席数が許す限り受け付けています。シンポジウムのみの参加費は1,000円となります。