2019・5・9成果公表
卒展・選抜展が2019年3月24日、本学ギャラリーフロールで行われました。ポピュラーカルチャー学部・ファッションコースからは、五十嵐玲さんと川口福太さん、谷口りかさんの3名が出展しました。
五十嵐さんの作品タイトルは「私たちの衣」。現代社会は大量の洋服が溢れ返り、資本主義のマーケティングで似通ったデザインの衣服が飽和しています。この現状を再考するために、プルオーバーに着目した普遍的なスタイルのアップデートに取り組んだ作品です。
川口さんの作品タイトルは「既製品のバランスを見直す」。こちらも現代社会に溢れ返る既製品のバランスを見直すことを目的に、ファッションの個性とは何かを問いかけた作品です。個性という価値が失われつつある中で、多様性のある社会をイメージさせる展示でした。
谷口さんの作品タイトルは「a girl in a picture」「a boy in a picture」。絵画のテイストを彷彿させる写真作品となっています。絵画的な写真を実現するために、絵画の要素を抽出しつつ、撮影時のセット作りからライティング、さらに小道具の配置やモデルのポージングにまで意識をめぐらせつつ、試行錯誤を重ねた秀作です。ずっと見ていると、不思議なと写真の世界に入り込むような感覚を覚える展示です。
3作品に共通しているのは、既存のファッションの枠組みを超越していることです。思考を重ねて生み出されたプロセスを感じさせます。ただつくるだけではないポピュラーカルチャー学部の方向性が、多くの来場者に伝わったことでしょう。