高等学校教員対象コンピュータ音楽制作セミナーのお知らせ
京都精華大学ポピュラーカルチャー学部音楽コース 高等学校教員対象セミナー開催のお知らせ 「コンピュータを活用した音楽制作 ~最新の音楽制作事情、教育活動への応用~」 コンピュータやタブレット、スマートフォン等を活用した […]
2019・5・17イベント情報
落 晃子OCHI Akiko
ポピュラーカルチャー学部
音楽コース
専門分野:コンピュータ音楽制作/電子音響音楽/フィジカルコンピューティング
◆「世の中の全てを音楽にしたい…。」
落晃子の音楽表現はこの根源的な問いから始まっているようだ。音楽教育学を専攻し、実際に教鞭をとりながら、旧来の音楽の枠にとらわれない音楽活動を展開してきた落は、やがて演奏すること、音楽が成立すること、音が鳴ること、こうした現象全てについて考えを巡らすようになる。
◆ノイズ先生
落晃子のなかでは、実験的な電子音響音楽を作り込むことも、プロフェッショナルな商業音楽を制作することも、ダンスや伝統音楽とコラボすることも、小学生やお年寄りと一緒に身の回りの音を録音して歩くことも、ストレスなくつながっている。音楽コース一回生向けの基礎実習でのノイズを使った即興演奏の実演は、多くの学生に音楽観を揺さぶるような衝撃を与えている。
◆フィジカルコンピューティング
三回生向けの応用実習では、フィジカルコンピューティングを使った音楽パフォーマンスを教える。身体の動きや環境の変化をセンサーで感知し、パソコンを使って音に変換すれば、ありとあらゆるものが演奏可能になる。まるでテルミン(静電気を利用して手を触れることなく音高と音量を制御できる初期の電子楽器)のように予期せぬもの(湯呑みなど)で音をコントロールできることから、落の制作した楽器は「ミン楽器」と名付けられている。
広島大学大学院学校教育研究科音楽教育専攻修了
坂本龍一・矢野顕子プロデュース「DEMOTAPE-1」に参加。「RAKASU PROJECT.」名義として活動し、『明和電機会長土佐正道とThe広島グッドデザイン』や、有馬純寿とのラップトップデュオユニット『RPSA』などに参加。国内外のメディアアート関連フェスティバルでの出演・講演多数。
Soundcloud: rakasuproject
岸田 繁KISHIDA Shigeru
ポピュラーカルチャー学部
専門分野:音楽
音楽を聴くことは食事のようなものです。そして音楽を作ることは料理のようなものです。講義もしますが、学生の皆さんが学びたいことを、演習を通じてダイレクトに学んでいただければと思っております。
1976年京都市北区生まれ。紫明小→立命館中高→立命館大→バンドマン→作曲家。
小松 正史KOMATSU Masafumi
ポピュラーカルチャー学部
音楽コース
専門分野:音環境デザイン/音響心理学/サウンドスケープ論/フィールドワーク/作曲
◆人をなごませる善き音と音楽とは?
目に見える現象は瞬間的に人の心を惹き付けるけれども、すぐに忘れ去られてしまいます。音は形がないからこそ、人の感性や潜在意識に後々まで深く残っていきます。さりげないけれども、大切な音。見た目は問題なくても、空間の中で何か物足らない要素があったり、居心地の悪さを感じたことはありませんか?
それは「音」や「音楽」への配慮が足りないからです。
◆人の感性に寄り添う音づくりの実践
私は人の感性に訴えかける音の世界を創造してきました。ピアノ演奏。大学の教育現場。病院、鉄道などの公共空間。小さなカフェ空間。集客施設のサウンドデザイン。園児の降園音楽。映画やアニメーションの音楽・効果音。京都タワーや京都国際マンガミュージアムのBGM制作…。だからといって単に音楽を流せばいいというものではありません。音楽が流される前の現場をフィールドワークすることが重要です。大切なことは、ユーザーの感覚に寄り添った音づくりです。私は、音響心理学やサウンドスケープ論にもとづき、クライアントや学生たちとの相互作用を重ねながら、教育活動や、環境音楽・効果音制作を手がけてきました。
◆音は人生を引き立てる!
あなたが望む空間づくり・表現・教育活動を、私は「音」から最大限に引き立てたいと願っています。そんな音の世界を、ともにつくってみませんか?
1971年、京都府宮津市生まれ。大阪大学大学院(工学研究科・環境工学専攻)修了・博士(工学)。音楽だけではない「音」に注目し、それを教育・学問・デザインに活かす。学問の専門分野は音響心理学とサウンドスケープ論。BGMや環境音楽を制作し、ピアノ演奏も行う。水や風を連想させる透明な音色と即興演奏が特徴。原風景を感じる普遍的案音楽との定評がある。河瀬直美監督の映画作品をはじめ、多数の映像作品への楽曲提供や音楽監督を行う。また、京都タワー・京都国際マンガミュージアム・京都丹後鉄道・耳原総合病院などの公共空間の音環境デザインを行う。聴覚や身体感覚を研ぎ澄ませる、独自の音育(おといく)ワークショップも全国各地で展開。
公式ウェブサイト:http://www.nekomatsu.net
谷口 文和TANIGUCHI Fumikazu
ポピュラーカルチャー学部
音楽コース
専門分野:音楽学
◆録音再生技術と不可分な音楽
一口に「音楽」と言っても多様である。谷口文和の関心の中心は、19世紀末に実用化された録音技術を使って作られ、届けられる音楽だ。同じように人が演じていても、撮影や編集という過程を経ることで、映画は演劇とは別の芸術として扱われる。同じように、録音された音楽も生演奏の音楽とは区別すべきではないだろうか。
◆音楽を向き合うための身体づくり
そのような問題意識のもと谷口文和は、マイクロフォンによる録音やエフェクターでの加工、デジタルデータの編集など様々な過程を経てメディアに固定された響きを丹念に聴き取る耳を獲得することが、今の音楽家にとって大切な素養だと考えている。谷口の担当する一回生向けの実習では、それゆえ、単なる知識や理論だけではなく、音とじっくり向き合い聴き分ける身体の修練が重視される。
◆「つくり」ながら「とどける」
谷口文和の基礎実習では、響きを分析する耳を鍛える一方で、そのようにして聴こえるようになった音や音楽を言葉として記述し、それを人に伝えるための方法も習得する。ブログを運営したり、フリーペーパーを編集したり、インターネットを使って音楽番組を配信したりといった実践を通じて、音楽には届けるべき「ターゲット」がいることをつねに意識するよう指導している。
東京芸術大学大学院音楽研究科博士後期課程単位取得退学。
著書に『音楽未来形――デジタル時代の音楽文化のゆくえ』(増田聡との共著、洋泉社、2005年)、『メディア技術史――デジタル社会の系譜と行方』(分担執筆、飯田豊編著、北樹出版、2013年)、『音響メディア史』(中川克志、福田裕大との共著、2015年)など。
Website: taninen.jp
中伏木 寛NAKAFUSHIKI Hiroshi
ポピュラーカルチャー学部
音楽コース
専門分野:サウンドデザイン/音楽制作/選曲/音楽雑誌ライター/レーベル運営
◆マイクロフォンの種類や位置で音楽は変わる
中伏木寛は京都の大学で音響を学び、音楽配給会社に就職した。楽曲の制作と配給・配信を担当し、傍らで自分の音楽活動も続けてきた。だから、録音スタジオでの作業は、中伏木の日常である。だからこそ、マイクロフォンの種類や置き方が音楽の質を変え、音楽家に特別の個性を与えることをよく知っている。
◆鼻歌から個性へ
まずは鼻歌でもいいから、自分の音楽性をさらけ出すことを楽しめるようになること。やがて、コンピュータがその鼻歌を素敵な音楽に変えてくれることもわかってくる。その先で、さらに自分の個性を引き出すには録音技術と仲良くなるしかない。ギター、ヴォーカル、ピアノを様々な環境で録音し、録れた音を聴き比べる。同じ楽曲を、ワンマイク録音とマルチマイク録音で録音し、その違いを聴き比べる。中伏木の基礎実習は、一回生が初めてMAGI SOUND STUDIOに触れる機会でもある。
◆京都で音楽を熟成させる
中伏木寛が京都の大学を選んだ理由は、70年代の京都の音楽に憧れたからでもある。70年代の京都には、学生文化を背景に数多くのジャズ喫茶やロック喫茶があり、村八分やフォーク・クルセダーズ、岡林信康など独特の音楽文化があった。京都発の音楽文化を担う人になってほしい。それも中伏木の願いである。
京都工芸繊維大学工芸学部電子工学科卒業。
大手BGM配給会社で環境音楽の制作・配給・配信を担当。月刊『J-ROCKマガジン』のライターとしても活躍。1990年代以降はSound of KYOTO―すきまレーベルを主宰。京都のミュージシャンを中心にインストルメンタル音楽を制作し、iTunes Storeなどをつかってネット配信している。
安田 昌弘YASUDA Masahiro
ポピュラーカルチャー学部
音楽コース
専門分野:ポピュラー音楽研究/文化社会学
◆音楽は世界に広まる、各地に根づく
安田昌弘の音楽研究はヒップホップ・シーンの国際的比較から始まっている。ニューヨークで誕生したヒップホップは、いまや世界各地で人気を誇っている。しかし東京とパリで調査した結果、ビジネスのやり方や人々の繋がりにそれぞれ特徴があることが見えてきた。音楽はただ世界に広まるのではなく、各地で活動する人々の間に根づくのだ。
2009年に京都精華大学に赴任してからは、昭和の時代から京都で培われてきたブルースのシーンに着目している。京都という場所でどのようにしてブルースの音楽家やリスナーが生まれたのか、過去と現在をそれぞれ掘り下げながら考察している。
◆音楽の文化的価値を生みだすプロジェクト
二回生の制作実習では三つのクラスを会社に見立て、競い合うように音楽を届けるプロジェクトを展開する。各クラスがレーベル、イベント、ウェブサイト、フリーペーパーといった手段を使い、自分たちがこれだと思った音楽や文化を学外へと発信する。やみくもにCDを作ったりライブを開催したりしても、授業とは無関係な人にはそうそう興味を持ってはもらえない。届けたいリスナーに対してどういう仕掛けが必要か、そもそも音楽と人はどのように結びつけられるのか、実際の企画運営を通じて考えていく。
英レスター大学マスコミ研究所(CMCR)でPh.D.取得。都市と音楽の関係について、フィールドワークによる研究を行っている。論文に「京都とブルースはどう結びついているか」、訳書に『ポピュラー音楽理論入門』、『ポピュラー音楽をつくる』、共著に『ポピュラー音楽へのまなざし』、『事典世界音楽の本』、『The International Recording Industies』、『ポピュラー音楽から問う』など。
蘆田 裕史ASHIDA Hiroshi
ポピュラーカルチャー学部
ファッションコース
専門分野:ファッション論/服飾史/美術史
◆ファッション批評
蘆田裕史は、これまで日本で「ファッション」がおかれてきた状況に疑問を持っている。有名ブランドの名前だけが刻まれたファッション史がひとり歩きし、批評が受け入れられず、新しい才能が交流する場がない。蘆田は、こうしたものに立ち向かっている。
◆「問題解決」としてのファッション
蘆田裕史の武器は、考えることである。たとえば何気なく使っているファッションデザインという言葉。「デザイン」の本来の意味は、問題を見つけそれを解決するからくりを考えることである。それゆえ蘆田の担当する実習では、ファッションに関する問題点を自分で見つけ出し、リサーチや仲間とのディスカッションを通して、それを解決するかたちを見出すやり方を身につけることが目指される。
◆ファッションの「場」をつくる
このような「デザイン」的な視座は、作り手であるデザイナーのみならず、作品を選別し、並べ替え、社会と媒介するキュレーターやスタイリスト、編集者のしごとにも通底する。蘆田は、自らファッション批評誌を編集し、ファッションギャラリーを運営することで、自ら積極的に新しいファッションの「場」づくりの実験も行っている。
京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程研究指導認定退学。京都服飾文化研究財団アソシエイト・キュレーター等を経て現職。
ファッション批評誌『vanitas』編集委員のほか、ファッションのギャラリー「gallery 110」、本と服の店「コトバトフク」の運営メンバーも務める。共著に『A REAL UN REAL AGE』(パルコ出版、2012年)、『ファッションは語りはじめた』(フィルムアート社、11年)、共訳に『無機的なもののセックス・アピール』(平凡社、12年)など。
小北 光浩KOKITA Mitsuhiro
ポピュラーカルチャー学部
ファッションコース
専門分野:ファッションデザイン
人の人生や生活を彩っていくものがファッションだと思います。大学での制作は色々と大変なことも多いですが、いろんなものに興味を持って、多くの刺激を受けて、たくさんの人達の人生や生活を彩れる人になってください。
1975年生まれ。Central Saint Martins College of Art and Design BA Fashion/ womenswear 卒業、及び MA Fashion/ menswear 修了。大手アパレルでのデザイナー、老舗テーラーのプレタポルテラインのデザイナー、コレクションブランド勤務、他大学での教員、教員と並行して自身のブランド運営などを経て現職。ファッションのギャラリー「gallery110」の運営メンバー。
福岡 絹恵FUKUOKA Kinue
ポピュラーカルチャー学部
ファッションコース
専門分野:モデリストによるパターン
パタンナーは2Dのデザイン画を3Dにすることが出来ます。デザインが活きたり死んだりするのもパタンナー次第と言っても過言ではないほど重要な存在です。魅力あるエッセンスを服に与えるため、技術だけではなくアイディアや思いつきも大事な要素になってきます。正解がないクリエーションの世界でワクワクを味わってみませんか?
京都精華大学卒業 文化服装学院卒業 ヒロココシノインターナショナル㈱パタンナーとして勤務後渡仏。Academie International de Coupe de Parisでディプロム取得後 John Gallianoでインターンを経て BALMAINでモデリスト SAINT LAURENT PARISでモデリストとして勤務。帰国後㈱SHINDOで商品開発などに携わり現職。
柳田 剛YANAGIDA Takeshi
ポピュラーカルチャー学部
ファッションコース
専門分野:服のデザイン
◆現地素材を求めて
柳田剛の着想の原点は、仕事で20代から頻繁に通ったインドやヴェトナムなどでの経験だという。現地で素材を開発し、商品化の目処を立てる仕事であったが、柳田が惹かれたのは「素材」を取り巻く人々の生活や風土であった。以来、様々な都市山村を旅してはその土地の生活に触れて歩いた。その空気や匂い、人との触れ合いから授かった様々なもの、そして冒険的な感触が、柳田を突き動かしている。
◆ハダカよりキレイな服
それゆえ柳田剛の服づくりは、嘘くさい装飾の対極を指向する。ファッションの飾りを溶かし、より原初的な、人間性を貫くようなデザイン。そのなかから立ち現れる使いやすくてすっとする、ハダカよりキレイな服。柳田は、真に我々の生を装うにふさわしいものを考え、つくる才能を育てようとしているのだ。そのため柳田流の授業は、学生が自分自身の生活のなかで形や色や風合いをしっかりと見れる分析的な目を養う作業から始まる。
◆服を考えてつくる
人は、自分の人間性や想像力を超えたものはつくれない―柳田剛の実習は場合によっては遠回りをしてまで、学生の人間性や想像力を高める機会が設けられる。美術作品を見たり、映画を見たり、音楽を聴いたりするなかで、挑むように、絶対視されている価値観を突き崩していく。それを通し、考えたり悩んだりするなかで、なにかがわかった瞬間の気持ちよさを経験してほしいからだ。わからないことに対する不安を克服し、難しそうなことやしたことのないこと、見たことのないことに挑戦することの楽しさが見えてくるはずだ。
1968年生まれ。文化服装学院卒業。98年、「ナイーマ」発表。2005年より(有)ゆえん代表。
大下 大介OSHIMO Daisuke
ポピュラーカルチャー学部
共通教育担当
専門分野:デジタルコンテンツ
◆仕事をすることが進学の目的だった
大下大介の学生時代の目的は、大人と仕事をして、外の世界を見ることだったという。デザインの勉強をしながら、学生時代の最初の2年を「ものすごくアンダーグラウンドな」映画制作事務所で、後半の2年を「どメジャーな」デザイン事務所で過ごした。積極的な行動力ゆえ一目置かれる存在だった大下は、後輩にもよく相談を持ちかけられた。その相手をしているのが楽しかった。今思えば、このことが教えることへの興味につながっている。
◆他人のために最高の企画を考える
大下が担当する企画演習は、ファッションコースと音楽コースの1回生から3回生までが一緒に参加できる授業である。「自己表現」ではなく、「クライアントの要望」をかたちにする練習をする。学生たちに早く外の世界を見てもらい、社会に出たら必要になる様々な作法を伝えたいからだ。そして大下は、学生と同じ目線で、一緒にディスカッションをしながら、答えを導いてゆく。
◆音楽やファッションからはみ出る新しい仕事
ポピュラーカルチャー学部の学生は、ファッションや音楽を追求したくて入学してくるわけだが、4年間を過ごすうちに、関心の中心が変わってくることもある。大下は、それは当たり前のことだと考える。音楽やファッションを軸にしつつ、色々なことに手を出すことで、むしろ自分らしさ、自分の存在意義が見えてくる。そうすれば、自分の良さを活かせる新しい仕事を考えだすことだって難しくない。大下が伝えたいのは、そういうことだ。
映画・演劇・TVの現場などの制作を経て、映像制作会社でデザイン業務にたずさわる。人の出会いから生まれる創作の連鎖を用い、イベントの企画や地域ブランディングを行う。
斎藤 光SAITOH Hikaru
ポピュラーカルチャー学部
共通教育担当
専門分野:
◆ポピュラーカルチャーと近代
「カフェー」、「モガ・モボ」、「フラッパー」、「先端少女」……。斎藤光の語彙には聞いたことがあるような、懐かしいような新しいような単語が並ぶ。これらは全て、19世紀の終わりから1920年代に一世を風靡した、新しい風俗と関係する言葉であり、日本でもジャズや洋装と深い関わりがある。大衆文化(ポピュラーカルチャー)を正確に定義づけることは難しいが、その発端の一部がこの時代にあった。
◆まずは好奇心
ポピュラーカルチャーについて学ぶには、なによりもまず好奇心が必要である。斎藤光が担当する「ポピュラーカルチャー原論」は、一回生が一番最初に、これから学んでゆくポピュラーカルチャーという対象について好奇心を持ち、その好奇心に従って研究する方法を身につけてゆく場である。
◆世界と歴史のなかの自分の位置
文化は自動的に現れるものではないし、常に同じかたちをしているわけでもない。今眼の前にある好きなものを、あたりまえだと思うのではなく、それがどうして今のかたちをしていて、どうして自分がそれをあたりまえだと思い込んでいるのかを問い直す視点を獲得して欲しい。そしてその疑問を好奇心に変えて、資料を集め、研究し、世界のなか、歴史のなかの自分の立ち位置を考える糧にして欲しい。
京都大学理学部・北海道大学大学院・東京大学大学院卒。
生物学史・性科学誌・近現代文化誌などを研究。著書に『幻想の性 衰弱する身体』、共編著書に『性的なことば』など。最近、「京都の/と尖端少女」というテーマでモダニズムを調査中。また、日本の「カフェー」ジャンルを研究中。さらに、日本の分子生物学の歴史や生命倫理もリサーチ中である。
高野 寛TAKANO Hiroshi
ポピュラーカルチャー学部
音楽コース
専門分野:ポップミュージック
◆オーディションを受け続けた
高野寛は、高校生の時からオーディションを受け続けた。絶対的な自信はなかったが、音楽が好きな気持ちは誰にも負けないと自負していた。やっと合格したのは大学3年生の時。これがきっかけで、審査員だった高橋幸宏と鈴木慶一のユニット「The Beatniks」のツアーに参加する。
◆いるべき場所にいることも才能のうち
高野寛の音楽の豊かさは、人との出会いの帰結である。高橋幸宏や鈴木慶一、トッド・ラングレンやアート・リンゼイなど、会うべき人がいる場所に自分もいる、というのは努力や才能と同じくらい大切なことだ。高野はこうした音楽家との対話・共演から、教科書では学び得ない活きたノウハウを吸収した。高野の実習は、そうしたノウハウを注入したきめ細かい指導が定評だ。
◆根っこがオリジナリティをつくる
高野寛は、二回生と三回生にソングライティングを教える。歌詞を書き、メロディーを考え、アレンジする。高野は、学生が提出する自作曲の背後にある音楽を喚起することで、曲に厚みをつけ、学生の表現の幅を広げる。自身が先輩音楽家との対話から学んできたように、学生にも自分の音楽の根っこを意識させたい―ルーツがあってはじめてオリジナリティは生まれ、開いていくものなのだ。
1988年にデビュー。 トッド・ラングレンがプロデュースした『虹の都へ』、『ベステンダンク』をはじめ、数々のヒット曲を生み出す。ギタリスト、音楽プロデューサーとしても活躍。デビュー25周年記念の『高野寛・ソングブック』では高橋幸宏、トッド・ラングレン、岸田繁(くるり)、ハナレグミ等、世代を超えたアーティストが高野の楽曲をカヴァー。最新作はブラジルで録音された『TRIO』(2014)。
西谷 真理子NISHITANI Mariko
ポピュラーカルチャー学部
ファッションコース
専門分野:ファッションメディア/編集
◆方法論としてのファッションを身につけよう
このユニークな大学の、さらにポピュラーカルチャー学部という未知の学部でファッションを学ぶこと。これを好機ととらえ、今までにないファッションの役割に目を向けてほしい。ファッションという、とらえにくく、権威にもなりにくいジャンルの魅力を学生と分かち合いたい。
◆雑誌づくりを通してチームワークや多様性を知る
西谷真理子が担当する二回生向けの実習では、学生たちがチームに分かれてファッションの小冊子をつくる。一人一人が編集者として、企画立案から取材、撮影、執筆、デザインなどに取り組む。既成の雑誌の不完全なトレースのような誌面が、オリジナルなものに成長する。雑誌づくりの楽しさはもちろん、編集の過程で多様性やチームワークについても学ぶことができる。
◆ファッション以外の領域にも関心を持つ
ファッションとはただ単に「服」を作って売ることではなく、人や社会とダイナミックな関係を取り結ぶものだ。西谷は実習中にも、建築や写真、映画、ダンス、アート、演劇、デザインなどを積極的に紹介して学生の好奇心を刺激する。なにかに反応する自分の感覚に耳を澄ますことが、将来のクリエーションを作り上げていくと信じているからだ。
東京都立大学人文学部フランス文学科卒業。
『装苑』、『ハイファッション』などの編集部に在籍。『ハイファッション・オンライン』チーフエディター、『感じる服 考える服』展共同キュレーターを歴任。編著に『ファッションは語りはじめた』(フィルムアート社2011年)、『相対性コムデギャルソン論』(同2012年)など。『Louis Vuitton City Bags:A Natural History』(Rizzoli 2013)、『私の服は誰のもの?』(アーツ前橋カタログ、BNN新社 2014)などに寄稿。
岸本 正高KISHIMOTO Masataka
ポピュラーカルチャー学部
音楽コース
専門分野:
TBA
TBA
富永 明日香TOMINAGA Asuka
ポピュラーカルチャー学部
ファッションコース
専門分野:テキスタイルデザイン
学部4年時の卒制の結果に大変落胆したので、大学院で私はこんなにも悲しく
苦しんでいる!というテーマで作品を作り始めたのですが、だんだん怒りが湧い
てきて最終的には芸大や教授アンチ的なテーマで作品を制作したのですが、そう
いう時に限って評価されてしまうので世の中ってなかなか思い通りに動いてくれ
ません。その上就職先は大学関係という、担当教員もびっくりしたことでしょう。
生活を送っているとどうしても、理性的に平穏に、角を立たせないようにと気
を使ってしまいますが、作品制作の場においては感情や趣味嗜好・癖といった個
人のマニアックで深部なところをむき出しにして表現することになると思います、
学生のみなさんの隠れたそのような部分が見られることをとても楽しみにしてい
ます。
神戸芸術工科大学 芸術工学研究科 総合アート&デザイン専攻 修了
作品展示 「doubt」2nd Space Kobe(兵庫 2016)、「Able and Partners Tokyo
Design Week デビュー展」明治神宮外苑絵画館前(2016 東京)、「突然のアポイ
ント」ギャラリーイロリムラ(大阪 2018)、「SPIRAL INDEPENDENT CREATORS
FESTIVAL 19」南青山スパイラル(2018 東京)、「ギャラリーパウゼ主催ミニテキ
スタイルコンペティション2018」ギャラリーpause(2018 東京)
槇本 欽優MAKIMOTO Yoshimasa
ポピュラーカルチャー学部
音楽コース
専門分野:デスクトップミュージック
何かを創造するという行為は、0から1を生み出す事です。その道は非常に険し
く、上手くいかない事が沢山あって、時に孤独の底に陥る時もあるかも知れませ
ん。でも、周りには違う価値観を持ち、違う物を見て、聞いて、育ってきた仲間
達が同じように悩んでいます。きっと支え合い、刺激し合って、お互いが成長で
きるような関係を築けます。私もその仲間の一人です。
月は満ちる前の少し欠けた状態が、一番力があります。一生懸命に満ちようと
するその姿は、何かを追い求め努力する誰かと似ている気がします。これから人
として、クリエイターやアーティストとして、月の様に満ちてゆく学生の方々を
間近に、私も多くのことを学んでいきます。
京都精華大学ポピュラーカルチャー学部音楽コース卒業。
楽曲提供( 琳派四百年記念祭 RINPA2015 大学生が創る琳派映像作品『古今(
KOKON)』、劇団ピーコック ミュージカル『Monster’s castle ~Eternal
treasure~』メインテーマ曲・ミュージカル曲・カーテンコール、一般財団法人
カナウ こどもイラスト展 プロモーションビデオ『cannow』、京都精華大学創立
50周年記念 式典BGM・祝賀会BGM、他 )