大概日々 / 映画・ドラマ

嘘の中にある本当。フェイクドキュメンタリーQ

フェイクドキュメンタリーQ」のシーズン2が始まった。と言われても、何がなんだか。という方が多いのかもしれない。

Qと言われたら何が思い浮かぶだろう、ウルトラQ?確かに少し怪奇なところは似ているのかもしれないけど、又それとは違う。

フェイクドキュメンタリーQとは、youtubeで人気のホラー番組「ゾゾゾ」「家賃の安い部屋」等の発起人である皆口大地氏と、「心霊マスターテープ」のディレクター等で有名な寺内康太郎氏が組んだ。youtubeで配信しているホラー番組だ。

シーズン2Q1「ノンフィクション」

シーズン1の12話が終わり、この度シーズン2がめでたく始まった(1/25日現在2話まで公開中)

本作はモキュメンタリー(ドキュメンタリーのように撮られたフィクション)形式で制作されており、どこかのテレビ局で放映されなかったテープ、個人のボイスレコーダー等。どこにでもありそうな、身近な物を起点として展開されていく。最初はなんてことなかったテープや映像、何が起こっているのかわからなかった物が、時間が経つにつれ、少しずつ異常をきたし、たまには人が死にながら。結局それが何なのかは明かされることもなく、嫌な余韻だけを残して終わっていくのだ。

シーズン1Q1「フェイクドキュメンタリー」

とても高いクオリティで延々となんだか嫌な、時折明確な異常を映しながら展開される本シリーズは、どれもこれも見ていると嫌になってくる話ばかりだ。何かわからないが、ただ異常なことが起こっている。それか起ころうとしていることだけがわかり、その現象に明確な終わりもない。

そしてフェイクとタイトルに書いてある通り、これは明確なフェイクだ。だがそれは本当にフェイクなのだろうか?この映像は果たして、本当に無いものなのか。レベルの高い、そしてとても素人らしい演技等はその明確に引かれているはずの彼方と此方の境界をぼやかす。そしてこの怪奇を自ら見にきた私たちに、本当に累が及ばずに済むのだろうか?という懸念だけを残して、怪奇は終わらずに映像は終わる。まるで、その映像で映されたモノは地続きの世界で存在しているかのような雰囲気を残しながら。

とてもレベルが高いホラーがしかも無料で見れるフェイクドキュメンタリーQ、一度ご覧になってみては如何だろうか。ちなみに私はシーズン1Q8、光の聖域が好きだ。車載カメラ、暗い山、そして狭すぎてバックしかできない道。そこに何が映るのか。

シーズン1Q8「光の聖域」

ホラーが得意でない。という方は、フェイクドキュメンタリーは生放送形式で配信されてそのチャットログが残っているので、それと閲覧することで多少緩和されるのでは無いだろうか。私もホラーが苦手だが、これは突然驚かしてきたりとかは無いので、比較的見やすい気がする。小さい画面でチャットを流しながら、是非。

フェイクドキュメンタリーQ

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(文 / 丸橋)