「ポピュラーカルチャー」や大衆文化の原理、起源、変遷と広がりについて概観する。
担当者: 斎藤光
この講義では、はじめに、大学の講義などについて大まかな説明する。また、講義を理解し定着させる方法としての「ノート」と、講義を踏まえてリサーチしたり考えたりすることによってまとめる「レポート」についてのルールや方法を説明する。
続いて、「文化」とは何かを提示し説明する。それを踏まえて、ポピュラーカルチャー(あるいは大衆文化)とはどのようなものであるかについて概説し、そうしたポピュラーカルチャーにおいて新しい価値を創出していくことの重要性を説明する。それを踏まえて、ポピュラーカルチャー学部で学び研究する意味を共有してもらう。また、原理的に、カテゴリー、世界、私、自然などの基本的な構図について具体例を交えて解説する。
その上で、歴史的視点からポピュラーカルチャーを、たどって行く。その際ポイントとなるのは、19世紀の産業革命によって生じた、世界的な都市化と、これまでとは異なる都市構造の出現である。その都市には多くの人々が集合し、職業を持ち労働に従事するとともに、日々の娯楽が求められた。その娯楽の基軸となったが、ポピュラーカルチャーであった。ポピュラーカルチャーは、文化形態的には、社会的・文化的価値が複製的に、また、再演的に作られ、届けられ、最終的には人々によって、享受され、消費され、所有される、という特色を持つ。
歴史を概観したうえで20世紀の文化状況の中で、ポピュラーカルチャーが獲得した重要な意味について考察し、21世紀前半におけるポピュラーカルチャーの位置づけや問題点を考える。