京都精華大学ポピュラーカルチャー学部

ファション

音楽

音楽学科

音響技術論[講義]

「音」のテクノロジーからみたポピュラー音楽の表現 

担当者: 秋吉康晴

 授業の概要および目的(推奨文字数:800字以内)
人類は古来より多彩な音の表現を求めて、実に多様な楽器をつくりだしてきた。それはわたしたちにとって最も身近な声にはじまり、日常的な道具から派生した単純な楽器を経て、職人仕事によってつくられる精巧な楽器へと多様化し、洗練されていった。人類が発展させてきた多様な音楽表現は、そうしてうまれた楽器の多様性と、それらがうみだす多彩な音によって支えられてきたと言っても過言ではないだろう。同じことは現代の音楽にもあてはまるが、その音をうみだす手段はかつてあった楽器とは大きくかけ離れたものになっている。20世紀以降に登場した音楽ジャンルの多くは、かつての「楽器」の枠にはおさまらないようなやり方で、「音」そのものを記録し、増幅し、編集し、あるいは合成するテクノロジーとともに発展してきたのである。本講義ではポピュラー音楽の表現を支えてきたテクノロジーの歴史をふりかえりながら、さまざまな音楽ジャンルにおいて作品の素材としての「音」がどのように扱われてきたのかを概観する。