京都精華大学ポピュラーカルチャー学部

ファション

音楽

ポピュラーカルチャー学部共通

文化批評[講義]

「テクスト(作品を含む様々な解釈対象のこと)」を、いろいろな角度から言葉にする練習をします 

担当者: 安田昌弘

この講義では、「批評」の基本的な手法・視点を、できるだけわかりやすく紹介します。
 「批評」というとなにか無責任に「テクスト」にケチをつける行為のように思われがちですが、それは思い違いです(そんなことをしても人を傷つけるだけですね)。「批評」のことをフランス語で(英語でも)「critique(クリティーク)」といいますが、この言葉は「境い目」という意味も持っています。つまり「批評」とは、ちょうどシーソーのように、世界をある状態から別の状態に変えるための手段(戦術)なのです。ですから「批評」という行為は、私たちは無力ではなく、世界の変革に参加することができるのだ、ということを前提として成り立っていることになります。
 では、「批評」を通して、できるだけ多くの人が共感・納得できる「より良い世界」を提示するには、どうすればいいのでしょうか? 必要なのは、一言で言ってしまえば「社会性」です。つまり、ある「テクスト」について自分の紡ぐ言葉が社会(や他の「テクスト」)とどう結びつくのかを意識し、そのために必要な配慮をする(的確な言葉を選び、適切なやり方でそれを伝える)こと。対立を避けるために当り障りのない文章を書きなさいということではありません(そんなことはホントにどうでもいい)。そうではなく、より良い社会を実現するための説得力ある言葉を、責任をもって紡ぐということです。
 本講義では、上に説明したような「批評」に欠かせない以下の二つの作業に焦点を当てます。一つは、批評の対象となる「テクスト」を内側から精密に読み解くことです。「テクスト」を構成する一つ一つの要素がどのように物語を編んでいるのかを分析するやり方を学びましょう。もう一つは、「テクスト」を外側から読み解くことです。「テクスト」をとりまく社会状況や文化(=文脈・コンテクスト)を捉え、作り手や受け手がそれにどのような意味を投げ与えているのかを丁寧に跡づけるやり方を身につけましょう。