【前期】音楽理論についての知識を深め、計算された音楽作りを目指す。
【後期】より高度な音楽理論を学び、音楽制作における表現力を高める。
担当者: 小松淳史
【前期】
創作活動においては、クリエイターの持つ唯一無二の感性や個性が重要視される一方で、音楽理論の知識が軽視されることは少なくない。それどころか、使い古された方法論は、新しいものを創り出すことを阻害するという見方さえある。
しかし、音楽の歴史をさかのぼってみると、革新的な作品は決して突然変異的に生み出されたものではない。それまでに存在した作曲技法を使いながら、作曲家が自らの語法を用いて音を紡ぎ上げた結果である。音楽理論には過去の偉人たちが遺した音楽のエッセンスが詰まっており、それを学ぶことは決してクリエイターの個性を阻害するものではなく、むしろ新しいものを創造するための第一歩であると言えるだろう。
また、いわゆるクラシック音楽に代表される古典的な音楽の手法は、現代のヒット曲においてもそのまま使われることが少なくない。遠い昔に発明されて今もなお残る作曲メソッドには、普遍的な美しさを持っていると言っても過言ではないはずである。
この授業は、コード進行に関する基本的なルールを学び、理論に基づいた自然なメロディーラインを作ることを目標としている。毎授業で演習とその添削を行い、必要に応じて既存の作品の分析も行う。
【後期】
前期に引き続き、音楽理論に基づく作曲の演習を行う。
より発展的なコード進行の演習を行い、また多声的な音楽についてより深く研究していくことで、自分の表現法の幅を広げていく。
最終的には、自分が設定したテーマに沿った作品を、全体の構成を見据えた上で制作する。「自分の感性」をどのような作曲語法に合わせると良いのか、実践を通じて考えていく。